住宅ローンが払えない.jpサイト管理人です。
そう一言告げ、警察の到着を待つことにすると、債務者義理の息子が経緯を語り始めた。
「先週おじいちゃん(債務者)宛に届いてた不動産執行の通知をおばあちゃんが見つけて、おばあちゃんが倒れちゃったんですよ。おじいちゃんに聞いても“そんなの知らない”って言うし、書いてある裁判所に連絡しても電話がつながらなかったんで、詐欺だと思って通報しました」
当初より口調が柔らかく変化している。
どうやら債務者義理の息子も警察の到着を淡々と待つ我々の様子に、詐欺師ではない可能性を感じ取りつつあるようだ。
実際、裁判所の電話が繋がらなかったという点に関しても、債務者義理の息子が日曜日に電話をしていためであった。
「ガチャ」
5分ほどして玄関扉が開いた。
少し早めに警察が到着したのかと思いきや、現れたのはバツの悪そうな表情を浮かべる債務者(おじいちゃん)だった。
「ご家族に説明されてなかったんですか?」
無言で頷く債務者の姿にようやく家族も事情を飲み込んだ様子で、そのまま警察への通報は取り下げられた――。