住宅ローンが払えない.jpの管理人です。
任意売却は経済的に行き詰まり、通常売却ができなくなって初めてできる事です。
従って競売よりは利点が多いですが、通常売却に比べるとデメリットも存在します。
その事をしっかりと理解しておく必要があります。
①個人信用情報として履歴が残る
ローン返済の遅滞や代位弁済が行われた時点で、
これらの情報が個人信用情報の履歴として記録されますので、
これを回避したいなら、代位弁済やローンの返済の延滞をしない事が先決ですが、
それが無理なので次善の手段として任意売却を講じているわけで、
これは任意売却特有のデメリットではありません。
ちなみに個人信用情報は日本では主にクレジットカード会社やリース会社、消費者金融、
携帯電話会社等が加盟しているCICと銀行や信用金庫等が加盟している全国銀行個人信用情報センター、
貸金業者やクレジット会社、保証会社等が加盟するJICC等によって管理されています。
金融機関は複数の情報センターに加盟しているので、
携帯電話の料金を遅滞すると住宅ローンが借りられない等の事態が発生します。
住宅ローンの破綻の情報も同様で、カードが作れなくなる等生活上の不便が生じる事があります。
ただし信用情報の履歴は5年程で消えるとされており、その後は問題ありません。
また、一部の金融機関では履歴がそもそも残らない事もあります。
②保証人に影響が出る
任意売却は債務者がローンの返済不能状態になったと認定されて初めて実行できます。
従って金融機関は返済不能になった債務の返済を保証人に対して求める事になります。
自己破産した場合は必ず請求されます。
ただし、債務者となる金融機関によっては任意売却の残債について、債務者が一定の支払いを続ける限り、
自己破産していない場合は保証人に返済を請求しないところもあります。
③成立しない場合もある
任意売却が成立するためには多くの関係者の協力や同意が必要です。
例えば物件が夫婦や親など複数の人物の共有となっている場合には、
所有者全員の同意が欠かせません。
また前回の例で紹介したように、金融機関の承諾は不可欠です。
健二さんの場合も金融機関が3000万円という売却価格に対して低すぎると反対すれば、
雄介さんによる買取は成立せず、健二さんの奥さんが居住を継続する事は不可能でした。
もし市場価格相当の3500万円で売却していれば、購入者にほとんどメリットがないので、
健二さんの奥さんが破格の家賃で住み続けられるよう配慮する理由がなくなります。
物件を3500万円で購入したい買い手が、標準的な10%の表面利回りを確保しようとすれば、
家賃は29万円という大きな額に膨らむので、
健二さんの奥さんは住み続けられなかったはずです。