住宅ローンが払えない.jpの管理人です。
抵当権者が複数いる場合、抵当権設定登記を行った順に抵当権の順位が決まります。
健二さんは3つの金融機関から融資を受けていたため、
抵当権も1番から3番まで複数設定されていました。
任意売却を成立させるためには全ての金融機関の承諾が必要になります。
通常、金融機関は任意売却にも慣れており、業界の慣習を理解しているので、
トラブルが起きる事はほとんどありません。
慣習通りの条件で任意売却に応じ、売却代金の分配についても常識的に対応します。
抵当権者は番号が若い順から優先的に返済を受ける事ができます。
健二さんの場合は抵当権者が3社とも金融機関でした。
3000万円の売却では、残債2500万円余りの一番抵当権は完済されましたが、
二番抵当権は100万円程度、三番抵当権は400万円が返済されず残る事になりました。
この場合、通常は三番抵当権者に対して20万円程度の解除料が支払われます。
契約の通りなら一銭も受け取れない三番抵当権者は、それで納得して抵当権を解除するのが慣例ですが、
健二さんのケースでは解除に合意しなかったため、更なる交渉が必要となりました。
最後まで抵抗して競売になれば、三番抵当権者に支払われる配当は0円です。
三番抵当権者もそれを理解しながらゴネて見せたのであり、
数多くの交渉を手がけていると、この程度の出来事はスムーズに対応できるようになります。
粘り強く交渉し、買主からほんの少し抵当権解除に対するお礼を提供してもらう事で、
三番抵当権者も抵当権の解除に応じ、任意売却を進める事ができたのです。