住宅ローンが払えない.jpの管理人です。
不動産の売却には大きく分けて3種類あります。
通常売却・任意売却・競売です。
通常売却は所有者の一存で売却を決断でき、
価格や条件等も所有者が自由に決める事ができるものを言います。
不動産に限らず、普通は自分の持ち家を売るのに誰かの承諾を得る必要はありません。
自分が売りたい時に、売りたい価格で売却する事ができます。
一方、抵当権が設定されている物件についてはそうはいきません。
抵当権を外してもらわなければ売却できないため
住宅ローンの残債がある物件を売却したい場合には、残債を完済して、
金融機関等の債権者に抵当権を外してもらう必要があります。
借金を全て返済して、物件が完全に自分のものになった状態でないと、売却できないのです。
住宅ローンが払えない人は残債を完済する事ができません。
物件を売却したければ、抵当権者と交渉して「売ってもいい」という同意を得る事が必須です。
誰に、いくらで、どんな条件で売却するのかを所有者だけでは決める事はできず、
必ず債権者の同意が必要になります。これが任意売却です。
ローンを支払えなくなった人が金融機関と交渉して了承をとり、
全額返済できない状況下で売買を成立させるためには金融機関の協力が必須ですが、
多くの場合は交渉に応じてくれます。
金融機関にとってもメリットのある事だからです。
債務者が任意売却を行わなければ、金融機関は抵当権を行使して物件を競売にかける事になりますが、
競売にはいくらで売れるか分からないという大きなデメリットがあります。
市場価格の6割~7割程度で売却される事が多く、残債が多い場合には金融機関にとって、
回収不能な大きな損失が発生します。
一方、任意売却でうまく買い手が見つかれば、市場価格に近い価格で売却することも可能です。
金融機関にとっては、より大きな額を回収できるというメリットがあるため、
交渉に応じるケースが多いのです。
健二さんの場合も抵当権を設定している金融機関との交渉を行い、
任意売却の手続きを始める事になりました。